本文 №11   意訳文 (茶色文字下解説参照)  読み下し文
 
自分の身のほどを顧みるべきである。
家の造作は釘を用いず鉄物
(かなもの)を使うことを望まず、みな丸太を以て掘っ立てて、大壁(おおかべ)は、縄からげの壁に仕上げるべきである。
 また床は簀子(すのこ)かきにし、屋根は草茅葺(くさかやぶき)にし、
迫門(せど)
(かど)、垨(らち)、開け閉て(あけたて)の締りや蔀格子(しとみこうし)連子(れんじまど)鴨居、鴫居(しきい=敷居)、戸、障子 
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その身の分限を顧みるべきである、
家の造作は釘、かなもの(鉄物)を用いず皆、丸太をもって掘り立て、大壁、縄からげに仕上げるべく、床はすのこ(簀)がき、屋根は草茅ぶき、せど(迫門)、かど(門)、らちがき、開けたての締り、しとみ(蔀)格子、れんじ(連子)、かもい(鴨居)、敷居、戸、障子
 用語解説
垨(らち)がき→意味不明→垨は「埒明け」埒に同じく、馬場の周囲の柵の意味がある。「がき」は「垣」であろうか。

大壁→本来の意味は、柱を塗りこんで表面に出さない工法の壁のことであるが、ここでは全体の壁の意味ではなかろうか。

格子-しとみこうし→家の出入口に取り付ける格子に組んだ建具。
連子-れんじ→窓や欄間などに縦または横に一定の間隔を置いてとりつけた格子
迫門-せど→裏門、裏口
門-かど→表門 表口

鴨居-かもい→建物の入り口の上部にある引き戸、ふすま等をはめる溝のある横材。下部の横材は敷居