熊野三社と氏子について
 板畑の村社は熊野三社である。春秋の祭りや正月のお籠もりなど板畑を挙げて行われ、管理・運営も板畑で行っている。
 しかし、一方でこの神社は中村氏の氏神とも言われている。この神社は板畑が開かれたときに総本家に伴ってもたらされ、中村氏の氏神・総本家の氏神としての意識がつよい。中村総本家の家長が代々氏子総代を務めていることも、その反映と言えよう。
 もっとも全戸が中村姓であり系譜的にも全戸が総本家につながりを持っている板畑では、村内のすべてを氏子とするこの神社は、いずれにしても板畑集落を結束するよりどころとなっているのである。
法政大学学術紀行研究会 高柳町調査研究報告1975より抜粋