カワラナデシコ

 
せつめい
 カワラナデシコは、海岸や川原、まれに山地などでも見られる植物です。
 また、私が子どものころは庭の花だんに植(う)えてありました。秋の七草の一つで「ナデシコ」または「ヤマトナデシコ」とも呼ばれています。
 花びらの先がとても、ほそく切れこんでいて、せんさいで、やさしさを感じる花ですね。でも、海岸の岩の上などにも元気に育つことからも分かるように、見かけによらず、とても強い植物なのです。
 2011年に世界一にかがやいた日本の女子サッカーチームの名前「なでしこジャパン」もこんなところからつけられたのでしょう。
 もともと、「やまとなでしこ」は、見た目はおしとやかで、ほんとうは強い日本の女性の呼び名でもあったのです。
 また、カワラナデシコは昔から親しまれ、歌に多くよまれた植物のひとつです。
なでしこがその花にもか朝な朝な手に取り持ちて恋ひぬ日なけむ」万葉集(まんようしゅう)にある和歌で、あなたがナデシコであったら毎朝、手でなでて、かわいがるのになあいうような意味でしょうか。
 
詳しい解説

   
    かんさつ

◎葉を観察(かんさつ)しましょう。

@葉は、枝に向かい合ってついています。

A葉の形は、スマートで、すっきりしていますね。葉のつけ根は茎(くき)を半分おおうようについてませんか。目を近づけてみてみましょう。
 また、葉のつけ根の茎はふくらんでいますね。

B葉や茎(くき)の色は、少し白色のまじったみどり色ですね。


◎花は6月から9月ころにさきます。

@花は、やさしそうな感じですね。

A花べんは5枚で、先がひらひらと糸のように細かく切れ込んでいます。ルーペで花をよく観察してみましょう

B花べんのつけ根に近いところには、ヒゲのような毛がはえていませんか。

C雄しべは、たくさんありますね。10個くらいでしょうか。めしべは2個かな。

D花の姿を横から見てみましょう。ガクの部分が細くて長いつつのような形ですね。



果実(かじつ)
◎果実を観察(かんさつ)してみましょう。

@ガクの、この長い部分が果実となるのです。

A果実が熟すとこのつつが四つに割(わ)れて中かから細かい黒い種がこぼれ落ちます。その様子を私はまだ見たことがありません。ぜひ観察(かんさつ)してみたいものです。