入れ置き申す一札の事    
 
  
      入れ置き申す一札の事
一、私儀同国魚沼郡百姓に罷り在り候所、天明
  元年に身上不入意に付き行達兼候に付き当地に
  参り、八右衛門殿、伯父孫右衛門殿方へ落ち着き
  是まで我が子の如くお世話下され又々この度八右衛門殿
  お取り計らいにて、寛政四巳酉年四月当地の
  百姓に御取り立て孫右衛門殿より屋敷高取り分け下され
  有難き仕合せに存じ奉り候 依って本家孫右衛門殿
  並びに八右衛門殿、御両家共親の如く末々迄も大
  恩忘却つかまつざるまじき候 後日の為入れ置き申す
  一札依ってくだんのごとし。
    寛政四巳酉年 
       四月十五日   平吉
   本家
    孫右衛門殿   この時八右衛門殿より
    八右衛門殿   印形分け譲り下され  
 
 矢澤繁徳文書 読み下し文責大橋寿一郎