忘れならない郡体育祭
居谷 田辺雄司
6年生の時である。柏崎が市制となり、その年〔昭和15年〕が皇紀2600年にあたり、それを記念して体育大会が柏崎市で開かれた。
石黒校からも4名の代表選手が加わった。私もその一人に選ばれた。先生に連れられて地蔵峠を越えて鵜川からバスに乗って行った。会場は今の柏崎高校のように記憶している。着いてみるとあまりに運動場が広いこと、ここを走るのかと思ったとき胸がしめつけられるような気がした。左右の選手を見ても、まるで仁王様のように大きく、どきどきしたものであった。
スタートラインについてピストルの合図で懸命に走ったがどうにもならなかった。だが、初めて海や汽車を見たこと、バナナをもらって食べたことなど忘れられない楽しい思い出だった。また、家からは50銭の小遣いをもらっていったが使わずに帰ってきたことを憶えている。
「石黒校百年の歩み」より |