全国過疎地域自立促進連盟の業務概要 はじめに 過疎過密の問題は、昭和30年代以降昭和40年代前半にかけてのわ が国の経済社会の急激な進展に伴って生じた全国的な問題であり、その 解決はわが国の重大な課題でありました。 とりわけ全市町村の1/3を占めている過疎地域の実態は、昭和30 年代後半から一段と深刻の度を加え、人口が著しく減少したことにより 地域社会の活力が失われ、生活水準及び生産機能の維持が極めて困難に なってきました。 このような過疎問題を解決するため昭和45年には「過疎地域対策緊 急措置法」が制定され、法による過疎対策が実現しました。以来昭和5 5年には「過疎地域振興特別措置法」が、平成2年には「過疎地域活性 化特別措置法」が、また平成12年には「過疎地域自立促進特別措置法」 が制定され、これらの法律に基づいて37年間にわたり総合的な過疎対 策事業が実施され、生活環境の整備や産業の振興などが図られてきまし た。 しかしながら、このような長期にわたる過疎対策事業の実施にもかか わらず、我が国においては、今、東京への一極集中と地域格差の拡大に 象徴されるように地方都市の衰退や農山漁村の荒廃が進んでおり、取り 分け、人口減少と急激な高齢化に見舞われている過疎地域の状況は一段 と厳しさを増しており、公共交通機関の廃止、医師及び看護師の不在、 耕作放棄地の増加、森林の荒廃、鳥獣被害の深刻化など生活・生産基盤 の弱体化が進み、また、多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、過疎地 域の問題は従前にもまして深刻な状況に直面しています。また、地方交 付税の大幅な削減等により過疎市町村の財政は深刻な財源不足に見舞わ れ、過疎対策の推進にも事欠く状況になっています。 全国過疎地域自立促進連盟は、「過疎地域対策緊急措置法」の成立を 契機として、総合的な地域対策の一層の推進を期する関係都道府県と市 町村を一丸とする全国組織として昭和45年5月25日に設立され、今 日まで37年間活発な要望活動その他諸活動を続けて参りました。 平成22年3月末日には現行の「過疎地域自立促進特別措置法」が期 限切れを向かえることから、引き続き総合的な過疎対策事業が実施され るよう関係都道府県と過疎市町村や全国知事会等の地方六団体と一層連 携を密にしつつその役割を果たしていきたいと思います。 以下に、当連盟の業務のあらましについてご紹介いたします。 平成2 0 年1 月 全国過疎地域自立促進連盟 会長村井仁 過疎連盟のあらまし 名称全国過疎地域自立促進連盟 所在地東京都港区虎ノ門1−13−5 第1天徳ビル3F TEL 03−3580−3070(〒105-0001) FAX 03−3580−3602 設立の趣旨 昭和30年代以降のわが国経済の高度成長により、人口、産業の大都 市圏への過度集中と、農山漁村人口の著しい減少が進み、国土の均衡あ る発展と地域住民の生活の安定向上に支障をきたすという重大な社会問 題が生じました。 とりわけ、人口が激減した過疎地域においては、産業及び生活の基盤 整備の遅れとあいまって、農林漁業の縮小再生産、基幹労働力の過度の 流出、地域社会の存立基盤の崩壊等の諸現象が顕在化し、一刻も放置で きない深刻な事態にまでたちいたりました。そこで、昭和43年5月か ら6月にかけて関係都道府県の知事及び議会議長は、それぞれ過疎地域 対策促進のため全国協議会を結成し、過疎法の制定、過疎債の新設等総 合的な過疎対策樹立のため強力な運動を展開しました。その運動の頂点 として昭和45年1月に関係都道府県と市町村が一体となって過疎法制 定促進全国大会を開催し、国会並びに政府関係機関に対し過疎地域住民 の切なる願いを訴え、過疎地域対策の早期確立を強く要望いたしました。 この結果、昭和45年第63回国会において、超党派の総意のもとに 議員立法による過疎地域対策緊急措置法の成立をみ、また、昭和45年 度地方債計画において過疎債制度が創設される等の緊急諸対策がスター トいたしました。このような情勢の中で、過疎地域における産業・経済 の開発振興及び生活文化の安定向上を図るとともに、総合的な過疎地域 対策等の一層の推進を期して、関係都道府県と市町村を一丸とする全国 組織を設立しようとする機運が盛り上がり、昭和45年5月全国44 都道府県と776市町村を会員とする全国過疎地域対策促進連盟が設立 されました。 設立昭和45年5月25日 本連盟は設立当初、全国過疎地域対策促進連盟の名称でしたが、以後 三次に亘る過疎法の制定に伴い、10年毎にそれぞれ法の趣旨に沿った 名称に変更しています。 昭和45年全国過疎地域対策促進連盟 (過疎地域対策緊急措置法法律第31号) 昭和55年全国過疎地域振興連盟 (過疎地域振興特別措置法法律第19号) 平成2年全国過疎地域活性化連盟 (過疎地域活性化特別措置法法律第15号) 平成12年全国過疎地域自立促進連盟 (過疎地域自立促進特別措置法法律第15号) 目的 会員相互の緊密な連絡提携により、過疎対策事業の充実強化により地 域の自立を促進し、もって過疎地域における産業・経済の開発振興と地 域住民の生活・文化の向上を図ることを目的とする。 会員(平成20年1月1日現在) 過疎地域市町村…………… 735 関係都道府県……………… 45(大阪府、神奈川県を除く。) |