チュウサギ |
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暮らしとの関わり チュウサギは、柏崎では近年見られるようになった鳥で昔はいなかった。当然石黒での記録もない。 白いサギは何種類かいるが、このチュウサギが見られたことによって柏崎ではダイサギ(大)、チュウサギ(中)、コサギ(少)の大中小全部が観察できることになった。 チュウサギは、化学肥料や農薬を使う以前の自然農法の水田で生きてきた鳥である。柏崎で見られるアオサギ、ダイサギ、コサギなどは水田でも餌取りをするが主として河川や池を生活の場としている。しかしチュウサギは田圃のみを生息域としている、水田に特化した鳥である。 そのため現在の水田では生きていけない鳥であるが、前述のように柏崎の水田で最近見られるようになった。水田にチュウサギの餌となるバッタや水生少動物が戻ってきているのかもしれない。 現在は春から秋にみられる夏鳥であるが繁殖は未だ確認されていない。繁殖期特有の黒いクチバシのチュウサギも観察されているので早々に巣卵が見つかるかもしれない。(情報提供−長谷川) 長谷川さんの情報で最近、チュウサギが柏崎市で見られるようになったのは、農薬の改良などで水田やその周囲に生息する昆虫などが増えてきていること関係があるとのこと。 確かに、市街地周辺の田や水路にドジョウやカワニナが多く見られるようになった。また、ほとんど見られなかったコバネイナゴなども増えてきている。今年の秋に上石黒の高床の田の畔を歩いて、子どもの頃のイナゴ捕りの頃の思い出したほどのおびただしい数のコバネイナゴに驚かされた。→参考画像 撮影日 2015.8.14長谷川 2015.8.27
水辺で休むチュウサギたち 撮影日 2015.8.14 長谷川 右の個体のクチバシは黒いようだ 写真2018.6.24田塚 チュウサギの越冬地 作成2015.12.25 |
解 説 サギ科 ユーラシア、アフリカ、オーストラリアの温帯から熱帯に分布し、日本では夏鳥で、本州以南に渡来する。また九州など暖地では少数が越冬する。 体長 68cm ほどで、ダイサギより一回り小さい。 全身が白、足は全体が黒く、眼先が黄色。ダイサギに似るが、体長が小さいこと、嘴が短いこと、眼下に入る口角の切れ込みが眼の真下で止まるところで区別できる。(左写真) 夏羽では嘴が黒くなり、背に飾り羽根が現れる。眼先が少々緑がかる。冬羽では嘴が黄色くなるが、先端のみ黒く残る場合もある。 内陸の平地を好み、ダイサギやコサギが昼間に水田や湿地、浅い湖沼や河川などの湿地に出て魚や両生類を捕食するのに対し、本種は田植え前の田、休耕田など比較的乾いた場所で、主にバッタなどの昆虫を捕食する。他の白鷺と同様に、非繁殖期は単独行動するが、繁殖期には水辺の林などに「サギ山」と呼ばれる集団営巣地を取り、一夫一妻である。 鳴き声は「ゴァー」などで、種ダイサギと酷似する。 環境省レッドリストの準絶滅危惧(NT)に指定されいる。 昆虫を探す様子 写真2015.8.14長谷川 飛翔の様子 写真2018.7.7 田塚 |