野生化している蔓のでないアズキについて
 ヤブツルアズキの両種の種子比較   
    
       考    察

 アズキは昔から、日常のケに対するハレ、いわば儀礼・祭り・年中行事などと深くかかわってきた。今でも祝い事での赤飯や牡丹餅(おはぎ)などにはアズキが使われている。
 栽培の歴史は、古く縄文時代中期の遺跡から種子が出土しているといわれる。
 それが大陸から伝来したものであるかどうかは不明とされているが、日本の自生種が栽培され改良された可能性が高いといわれている。
 現在は、野生種にはヤブツルアズキが普通に見られる。
 ところが、石黒でも市街地周辺でも蔓ができない、栽培種にそっくりの種が野生化している。
 筆者は、今まで両種の違いは環境に因るものか、くらいに軽く考えていたが、昨日、成熟した莢を開けて見て発見があった。蔓にならない種の種子の色は小麦色をしていたことだった。いわば、昔、石黒でも稀に栽培された「シロアズキ」で、形、色ともにそっくりである。粒子の大きさもヤブツルアズキに比べてやや大型である。
 このことから興味を感じることは、これが単なる栽培種のシロアズキの逸出であるか、もともとあった雑草型のアズキであるか、である。
 筆者のような素人にも、容易にできる検証法の一つは、本種の種子を煮て食してみることで、同定に一歩近づけるのではなかろうか。是非、調べてみたい。

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  写真 2013.10.8 市街地周辺-
向かって左がツルなしの種 
 
 ツルのないヤブツルアズキの草姿 
                     撮影 2013.10.13 落合