ハルガヤ
暮らしとのかかわり
 石黒では出会ったことはない。柏崎市街地及び周辺では、たまに目にする。「ヒメハルガヤ」か「ハルガヤ」は同定に迷ったが、ひとまずハルガヤとして掲載した。
 同定までには十数回にわたって自生地で観察したり、観察用に植木鉢に移植したものを調べたりしているが十分な同定の裏付けは未だ得られていない。
〇香気があるとされるが、それらしい香はない。
〇頴の細毛は褐色ではなく白色である。
〇葉鞘に毛はみられるが葉身には見られない。
〇葉舌が長い。
 など納得のいかない点がいくつかある。香りは乾燥させると強まるとのことであるので試してみたい。
 これまでの観察では、市街地周辺でも普通にみられるという植物でもないようだ。一定の場所に限って繁茂しているというように見受けられる。今後も観察を続けたい。

写真 2016.5.2藤元町


          穂の出始めたころの様子

写真2016.4.29藤元町



解 説
イネ科
 明治時代初めに牧草としてしたが、すぐに逸出して野生化して現代にいたっている多年草。根はひげ根状。
 茎は長さは25-60cmで、叢生し短い葉が付いている。葉舌は高さ1〜5mm。葉鞘は長い。葉鞘には微毛がある(下写真)
 花期は、4〜6月。出穂の長さ3〜8pの円錐形の穂を出す。穂は1花からなる小穂で覆われる(上写真)
 その第1包頴は第2包頴より小さく両方ともに先端がやや芒(のぎ)状となり、第3・4頴は長い芒をもち表面は褐色がかった長毛で覆われている。
 次に護頴内頴がある。鱗被はない。雄しべは2個ありヤクは大きい。
 子房には長い2花柱がある。頴果は円柱形で尖り護頴と内頴によって包まれている。
 名前の由来は「春茅」の意味というが茅に見立てるにはあまりにも小さい。



      葉鞘と葉舌

写真2016.5.2藤元町

 第3・4包頴の長い芒(のぎ)
写真2016.5.4松美町