ハタガヤ
暮らしとの関わり
 鯨波海岸を歩いていると足元に放射状に針状の葉や茎を広げた小形の植物が目をひいた。
 花序のついた茎の長さに比べて短い葉は目だたず茎の基部が赤褐色であり、美しい大小の紋様を砂上に広げたように見える。
 石黒の生家の庭でも草取りをするときに、この草に出会ったような記憶があるが、おそらく別種であろう。

写真2012.9.14 鯨波海岸


         鱗片の様子

写真2012.9.20 松美町
解 説
カヤツリグサ科
 北海道を除く日本全土の海辺の砂浜や付近の日当たりのよい土地に生える一年草
 1株から多数の葉と茎を放射状に伸ばす。茎は糸状で多数直立して伸び、高さ12〜18cmほどで基部は赤褐色。
 葉は極めて細い線形で茎よりも著しく短いが、下部はやや広がって淡褐色で鞘状となる。
 秋になると茎の先端に1個の花序をつけ、淡褐色の小穂を5〜15個密集して球状になる。
 包葉は針形で2〜3個つき長さ2cmに達するものもある。
 小穂の長さは6mmほど。鱗片は卵状の舟形で先端は鋭くとがり外に曲がる(左写真)
 小花は1個の鱗片に両性花があり、雄しべと雌しべおさまっている。雌しべの花柱は3裂する(左写真)
 果実は乳白色で広卵形で断面は3稜形(左写真)。 
 名前の由来は畑によく生えることによる。(実際には畑には少ない)


     3稜形の種子
写真2012.9.20 松美町