私が、エチゴルリソウの自生地への道案内を頼まれたのは二年前のことで、訪ねてきた人は、富山植物園のの石沢さんと大原さんという二人の方であった。
石黒にエチゴルリソウが自生するという文献を見て、撮影したいので案内を頼むということであった。
早速、現地に案内したが五月の半ばであり花期の長いエチゴルリソウの花もすでに終わりに近く、わずか二株だけが花をつけていた。
道々、お二人から聞いた話では現在、エチゴルリソウは、富山、石川、福井にも自生するとされているが、実際に調べたところ、それらはヤマルリソウであることが分かったとのことであった。
となると、エチゴルリソウの自生地は新潟県の中越・下越の南部(福島県西部を含む)に限られ、ごく希な植物ということになる。
また、その時(二年前)は、新潟県はエチゴルリソウをすでに絶滅危惧種に指定していたが、国は、富山・福井にも分布するとされていたため絶滅危惧種には指定していなかったという。
お二人は、早急に国の絶滅危惧種にも指定するべきだと言われていた。
ヤマルリソウとの区別は、エチゴルリソウの茎の上部の葉が大きいこと、分果(四つに分かれた果実)が楕円形であることで見分けることができるとのことである。
エチゴルリソウは私の知る限りでは、高柳でもごく一部の場所にしか自生していないので、盗掘などによる絶滅はなんとしても防ぎたいものだと思っている。(寄合在住)
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