チョウトンボ(石黒では見かけない)
暮らしとの関わり
 チョウトンボは石黒では、未だ私は見かけないが岡野町地区などでは見られるとのことである。市街地周辺では畔屋の池や西山町五日市大池などで多く見られる。→畔屋の生息地
 チョウトンボは年によって大発生する習性があるという。
 私の観察したところでは、チョウトンボは、一見ハグロトンボのように、ひらひらと優雅に飛びまわっているが、ひとたび仲間との戦いになると凄まじい空中戦を展開する。そのスピードと敏捷さは他のトンボに勝るとも劣らない。
 マコモの葉やイネの葉によく止まって、はねをやや山形にしてゆっくりと体全体を左右に揺らすように動かしている。太陽光線の当たる角度を変えて外敵から身を守る天性の動作であろうか。→参考動画@ 参考画像A
 交尾は何度か観察したが、他のトンボのように連結して飛ぶことはほとんどなく、すぐに離れてしまうようだ。今後、もう少し詳しく観察してみたい。今日〔2012.7.16〕、ようやく交尾した番を撮影できた。
 ※本ページのすべての写真は捕獲せずに自然のままをマクロ撮影したものである。
チョウトンボの飛翔の様子→動画資料
産卵するチョウトンボ→動画資料
羽化する個体→参考画像
羽の紋様の色々→参考画像

(撮影2010.7.21 畔屋)

         はねの斑紋の個体差例




撮影2010.7.24 畔屋

           頭部正面拡大

撮影2011.7.10 畔屋

      最盛期には沢山の個体が見られる
撮影2011.7.27 畔屋


解 説
トンボ科
 本州、四国、九州に分布。
 おもに、平地から丘陵地帯にかけて植生に富んだ池や沼などに見られる。
 体長は20〜25mmで前ばねは細長く後ばねは幅が広い。
 はねの色は、黒紫色だが光の反射角度により青色などにも見える。
 はねの先端に透明部分がある個体が多いが、はねの斑紋には個体差が多く変化に富む。→参考画像
 出現時期は6〜9月。羽化は6月中旬頃から始まる。成熟成虫は7〜8月を中心に見られる。
 水面を飛翔し同種のトンボが近付くと激しく戦う動きがみられる。他種のトンボに対しては反応しない。
 日中の暑いときには木の梢の上をゆっくりと舞うように飛ぶことも多い。
 幼虫(ヤゴ)は体長13〜15mmほどで褐色で濃褐色の斑紋がある。
 名前の由来は、未熟な個体がひらひらとチョウに似た飛び方をすることによる。

        羽化

撮影2011.7.10 畔屋

    前後のはねの比較

撮影2010.7.21 畔屋

胸部上面の彫刻のような形体

 撮影2010.7.21 畔屋

  交接するチョウトンボ


撮影2012.7.16 畔屋

       幼虫の殻

撮影2011.7.10 畔屋