アキアカネ
暮らしとの関わり
 石黒では「十五夜ドンボ」と呼んでいた。9月15日の十五夜祭りのころに現れることから、そう呼んだのであろう。
 当時の石黒で「十五夜トンボ」と呼んだものは、アキアカネに限らず、ナツアカネもマユタテアカネもマイコアカネなどひとまとめにした呼び名であった
 筆者の小学生のころは、秋になると学校のグラウンドの上を無数のアキアカネが飛び交い手でつかみ取れそうなほどであった。ちなみに、グラウンドを走り回る子どもの数も多かった。
 実に、当時(1950)の石黒校の児童生徒数は縁故疎開児童も含め400名を超えていた。その後高度成長期に入り急激に過疎化が進み子どもの数は減り、昭和の終わりには30人足らずとなり、平成6年には全校生徒児童数9名となり、翌年には閉校となった。現在では高柳地区の小中学生の総数が50人に満たないという信じがたいような減少ぶりである。
 
 その後、年々、赤トンボは多く見られるようになり、やわらかな陽ざしにハネをきらめかせて飛翔する光景が戻って来た。
 だが、トンボを追いかける子どもの姿は戻って来そうもない。淋しい限りである。
 。〔参考 飛翔の様子〕
 下の写真は6月中旬の水田の中干し直前に羽化するアキアカネである。

〔写真上・右下2005.9.28 右上2006.10.18下石黒〕
-
○ビデオ資料-アキアカネの羽化
〇アキアカネ舞う稲刈り風景-下石黒-2018.9.19



       6月に羽化するアキアカネ


写真2017.6.22田塚
写真2018.6.16新田畑

写真2007.6.23上石黒

      秋に飛翔するアキアカネの群れ

写真2008.9.28落合

         夕日を求めて集まる赤トンボ

写真2016.10.13柳田町
解 説
トンボ科
 北海道から九州まで分布。日本特産種。
 体長約4p。6月頃に羽化して(左下写真)いったん高地に移動し秋に平地に戻る。
 体の特徴は、顔を正面から見たときにひたいに黒い斑点がなく、胸の側面にある2本の黒線の頭側の線の先端がとがっている。〔下写真〕

 成熟すると雄は赤くなるがナツアカネほど美しい赤色にはならない。
 雌は成熟しても腹部の背側が赤くなるだけで全体が褐色である。卵で越冬する。



      羽化の様子






写真2017.6.22田塚
写真2018.6.17新田畑

     翅を休める様子
写真2016.9.14下石黒