スズバチ
暮らしとの関わり
 子どもの頃からドロバチの巣はよく目にした。巣の形はいろいろであったように思う。
 右上の巣はスズバチの巣での写真のような多房の巣をつくる。一見泥の塊が付着したように見られる。
 石黒の生家跡に建てた山小屋のタンスの鍵穴がすべて泥でふさがれているのに気が付いて調べてみるとドロバチの仕業であることが分かった。
 他のハチと異なり巣を壊しても襲ってくるようなことのないめずらしくおとなしいハチのようだ。というより、産卵した巣の中に仮死状態のシャクトリなどの幼虫を入れて置き、孵化した幼虫が独で成長するので子を守るという習性がないのかもしれない。
 上の写真は神社の灯籠の火袋の中に作られていたものである。

〔写真2006.11.5 上石黒〕



           ドロバチの巣

参考資料−福光村・昆虫記

解 説
ドロバチ科
 ドロバチ科のうちトックリバチ類を除いた昆虫の総称。
 体長10〜20o。多くのものは黒色で黄色や橙褐色の斑紋や帯紋がある。
 中空の植物や木材、岩石の穴や割れ目に泥で巣を作り卵を産み、幼虫のために獲物を蓄えておく。

 上の写真のスズバチは木の枝や壁・岩の上など平たいところに泥で直径20〜30oのトックリ型の多房巣を作る。中は10数個の単房巣に分かれているものもある。
 巣の中に幼虫の餌となる蛾の幼虫などを麻酔で仮死状態にして貯えて置き孵化したスズバチの幼虫の餌にする。
 餌はエダシャクの幼虫が多い。
 名前の由来は、巣をつくるのに多かれ少なかれ泥の練り土を用いることによる。