カエンタケ

暮らしとの関わり
 カエンタケは石黒で初めて出会ったキノコである。赤色と変わった形のため目を引くが猛毒キノコであるという。食べられるキノコのベニナギナタキノコにやや似ているがベニナギナタキノコは肉質が柔らかいことで区別がつく。
 「日本の毒キノコ」−学習研究社によれば、食後30分で腹痛、頭痛、手足の麻痺、嘔吐、下痢、その後腎不全、呼吸不全、脳障害等などが現れ死に至ると記されている。
 だが、筆者が1980代発刊された図鑑数冊調べた限りでは毒性の記述のないものがある。中毒例がなかったのであろう。しかし、文政年間の植物図鑑『本草図譜』には「大毒ありといへり」との記述があるという。
 現在ではその毒性は解明されつつあるが、カエンタケは他の毒キノコには見られない激烈且つ特異な症状と高い致死毒を有するといわれている。
 (2010年10月に小国のTさんから中越地区でカエンタケを酒に入れて飲んで3人が死亡した中毒例を聞いた)
 カエンタケに出会った昨日(2010.9.26)2人で時間をかけて撮影をしたが、いつものように、取って根本を見たり裂いたり折ったりして中の観察はしなかった。猛毒を知っていたわけではなく、惜しいようでできなかっただけである。液がついても皮膚に炎症を起こすとのことであるから幸いであったが、ページ構成では内部や根根元の写真がないと物足りないと思った。(その後2010.10.8に撮影している)
 また、成熟後に表面に黄色い粉が現れるということなので、後日、是非再度訪れ撮影したい。
 
 2021.10.22日のWEB上に最近、各地の公園などで相次ぎ発見されている本種について「カエンタケは触るだけでも皮膚がただれる。できるだけ触らず、もし触ってしまった場合は石鹸で手洗いをするように呼び掛けている。致死量は3グラムで、食後すぐに発熱や嘔吐などの症状を起こし、後に消化器不全や脳神経障害で死に至る危険がある。」との内容の記載が見られる。

(撮影日2010.9.26 落合 掘り割り付近)
 発生場所写真←クリック

         拡大写真

撮影日2010.9.26 落合

     成熟後に現れる粉

撮影日2010.10.8 落合

         縦断面写真

撮影日2010.10.6 落合   政栄

解 説
ニクザキン科
 広葉樹林の林床に発生する。発生時期は梅雨時〜秋にかけて群生または単生する。
 日本及びジャワ原生の希少種。
 色は赤く形は棒状、たいてい枝別れして掌状あるいは樹枝状になる。表面は皮質で堅い。
 内部は白く堅くしまった肉質(下写真)
 成熟すると黄褐色の粉が表面に現れる(左下写真)
 カエンタケは猛毒キノコで液がついただけで炎症を起こすこともあるという。致死量1グラムという、大学の研究報告もある。しかし、少し古い図鑑には毒性の記録がないものも多い。
 名前の由来は左の写真のような形を火炎にみたてたものであろう・。



  ブナ木上に発生した個体

撮影日2010.9.26 落合

      白い内部


撮影日2010.10.8 落合

    様々な形

2010.10.6 落合   政栄

       老菌

2010.10.15 落合