前ページへ      原文  P.9   次ページへ     読み下し文
  

井上伊豫守にして蓮如上人の御弟子、寺額は 三世明祐の代に
證如上人より是を賜う。故にいまに井上西方 寺と号し連綿たり
北条へ移りてこの天明第五乙巳星まで百八十 年なり。六世嶺尊、
祖師の御真影を申し飛担の出仕を願い七代存
 正御絵傳を
願い八世郭道、九代湛道、豫間昇進し前卓( まえじょく)四本柱
鐘楼御免あり、御尊光りて輝かし無明の闇を 照らし
鐘鼓ひびきて煩悩の夢を覚ます。然る所に北 条へ移りて百五十一年目に当たる 
 意訳文
       
井上伊豫守であり蓮如上人の御弟子である。
寺額は三世明祐の代に證如上人より是をいた
だいた。それゆえ今も井上西方寺と号し途切
れなく続いてきた。
北条へ移って、この天明五乙巳年(1785
)まで百八十一年である。六世嶺尊は祖師の
御真影を申し悲嘆の出仕を願い、八世郭道、
九代湛道は、豫間昇進し前卓、四本柱、鐘
つき堂のお許しがあり、その景観は御尊光
輝き、無明の闇を照らし鐘と太鼓が響いて
正に煩悩の夢を覚ますほどであった。そう
こうして北条に移って百八十一年に当たり