寄合からの通学の思い出
寄合 矢沢慶吉
当時、石黒へ行くには、城山を上ったり下ったりするのが唯一の道路で、なかなか通学はたいへんであった。
特に冬季の風の強い日などは、吹き飛ばされてしまいそうになりながら、馬の背のような城山の峰伝いの雪道を、足をふるわせながら歩いた。
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冬の城山→向かって左寄合、左上石黒、古道は尾根づたいにあった |
冬の通学でこんなことがあった。月曜日に寄宿舎の食事のおかずに、親からマスッコ〔鱒〕を一匹もらって手に下げて家を出たが途中まで来ると手が疲れたので、マスッコの頭に縄に縛り付けて引きずって行った。すると学校に着く頃に着くまでにマスッコが雪にこすられてみがいたようにきれいになっていたのだ。洗うのに苦労せずにすんだことが今も忘れられない。〔以下略〕
「石黒校百年の歩み」より
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