昔の橋
田辺雄司
石黒にも、昔は橋にはいろいろの種類の橋がありしました。木橋、土橋、渡し(板橋)、二本橋などです。
木橋は普通の川に架けられた欄干のある立派なものでした。主に石黒川や落合川に架けられていました。しかし、大雨による洪水で流されることもありました。とくに寄合橋の流失は数回に及び、「写真で見る新潟県の歴史」にも写真が掲載されています。
土橋は、1〜2mの幅の川に丈夫で長持ちする木である、ナラ、タモ、イタヤなどの直径15〜20pの真っ直ぐなものを川幅に合わせて切断して1m50pほどの幅に並べる。その上にムシロや箕の使い古しや杉の葉などを敷き、その上に土を30pほど盛って踏み固めて使いました。
土橋は、3〜4年に1度くらいは取り替えたものでした。また、馬や牛も通るので上に盛った土がどろどろになり雨で流れて薄くなってしまうので道普請にはモッコで土を運んで盛ったものでした。
また、渡しや二本橋は、厚い板や丸太を並べて荒縄で結わいて置くだけの橋でした。丸太の渡しは木の皮がむけるとすべりやすいので注意して渡ったものです。
石黒でも昭和30年代に入ると主な橋が次々とコンクリート橋となり「永久橋」と呼んで喜んだものでした。また、村の木橋をコンクリート橋架け替えることが、地元選挙区の代議士の選挙公約にも使われたこともあったものでした。
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