乍恐以書附奉願上候-山中村庄屋文書-安政4年〔1857〕 
 
 
  
   恐れ乍ら書付を以て願上奉り候
 当村黒姫山の儀、女神にて女病女
 業別して守らせられ候故、縮渡世のもの
 并〔ならびに〕女子信心の輩多々御座候、当所信心
 もの有之候得共、遠高山の儀に付き
 老人小児足弱もの参詣相成り申さず候間
 内々当町に持ち出し仰々しくは仕らず、信心
 のもの〔に〕限り当町〔柏崎町〕遍照寺にて八月三日より
 九日まで七日中、内拝致させ
 度、蒲原郡などへ出開帳仕り候儀に御座なく候間
 何卒、此の段御聞き済み成下し置かされ 
 御陣内御女中様方、御信心の御方
 々様は御内拝成し下し置かされ度願上げ奉り候
 右願の通り御聞き済み成し置かれ候はば重々
 有難き仕合せに存じ候 以上
      苅羽郡岡野町村
       黒姫山神主 大倉和泉正
 安政四巳年七月
       同村庄屋 村山藤右衛門代
       山中村庄屋 徳兵衛
  御預り柏崎
    御役所
 
 
    恐れながら書付を以てお願い申し上げます
 私たち黒姫山〔神社〕の事でありますが女神にて女の病気
 と業〔縮織〕を特別に守ってくださるので、縮に関わる仕事をする者
 並びに女子の信心の人々が沢山おります。この町〔柏崎町〕にも信心
 するものがいますが〔黒姫山は〕遠くにあり高い山でありますため
 老人や子ども、足の弱い者は参詣がかないませんので
 内々、この町〔柏崎町〕に持ち出して大げさにしないで、信心
 の者に限りこの町の〔柏崎町〕遍照寺にて八月三日より
 九日まで七日間、内拝いたさせたく 
 蒲原郡などへ出開帳致すというわけではありませんので、
 何卒、この件御承認下され
 御陣内の女の方々、御信心の方々は御内拝していただきますようお願 いいたします。
 右、お願いの通り、御承認いただけますなら大変ありがたく幸いに存 じます。 以上
           苅羽郡岡野町村 黒姫山神主
                   大倉和泉正
  安政四巳年七月
              同村庄屋 村山藤右衛門代
              山中村庄屋 徳兵衛
 御預り
   柏崎 御役所
 .
※参照資料→年中行事-鵜川神社←クリック     山中村庄屋文書 〔柏崎市ソファセンター所蔵〕  解読・意訳文責 HP石黒の昔の暮らし編集会 大橋寿一郎