小正月の花木飾りの思い出   
             

 小正月には、山に出かけて花の木〔ヤマモミジ〕の大振りの枝を切ってきました。それをジョウヤ柱に縄で結んで、枝先に赤や白や緑の餅をかざりつけました。
 餅はついたばかりの時に長くのばして色をつけて、周りに茅の棒を4、5本押し付けて藁で数箇所しばります。それを一日そのまま置いて翌日に厚さ2〜3mmくらいに輪切りにします。ただし、緑色の餅は木の葉ですから三角形に切りました。

 次に、稲穂をつくりました。稲穂は藁を10〜20本束ねて、その先に柔らかい餅をちぎっては間をおいて付けていきます。
 出来上がった稲穂はハナノキの根元に飾りました。

そして、1月20日の二十日正月には、花の木を取り外して、枝についた餅や煎餅などを取った後のヤマモミジの枝を囲炉裏で燃やしました。昔から、この火にあたると若返ると言い伝えられたので家中で囲炉裏の周りに集まってあたったものでした。
  外立ハツイ
〔神奈川県 旧姓大橋〕