ヨコヅチは昔、一人でワラ叩きをするときに使った。使い方は利き手でヨコヅチを持ち(上の写真のような形で)、もう一方の手で藁を回しながら叩いた。疲れると使い手を左に変えて叩いた。
また、冬に石臼で挽いた団子粉を粉桶に堅く詰めて保存するときには、先の平らな部分で(下写真のような形で)叩いた。
寄合集落では、小正月の行事のモグラ退治でこのヨコヅチに縄をつけて雪の上を引いた。引きながら「モグラモチもぐすとかっつぶすぞ」と唱えながら引くのだった。ヨコヅツを引くのは主に子供たちの役割で、大人はヨコヅツ引きの後に続いて、箕に囲炉裏の灰を入れて「長虫、長虫、ここらにいると目が危ないぞ」と唱えながら家のまわりを回った。(指導−矢沢清吉)
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