おひつ入れツグラ 



           ツグラとの大きさ比較




  こちらは直径が左のおひつ入れツグラに比べて大きいことから京風おひつを入れるためのツグラであると思われる。
 上の写真には、フタがないがこの上にかぶせる深さ10pほどのフタがあった。いわば形としては、京風のおひつに似た形となる。
 冬季は、朝に炊いたご飯をこの入れ物に入れて座敷においても昼は、いうに及ばず夕飯時にもまだ温もりが保たれていたという。このようなワラの保温力には驚かずにはいられない。
 おひつのツグラを作るときには特に柔らかに叩いたワラを使用したという。いわば、十分に空気を含んだ柔らな繊維が保温力を高めたものであろう。
 また、こうしたツグラの中に入れるには、形から考えれば京風ではなく石黒で一般に使われた江戸風のおひつが適していたこともうなずける。
 おひつ用ツグラを使わない家ではおひつを風呂敷に包んでコタツの中に入れて置いて保温をした。