石黒では「ノメシミノ」あるいは「ソデナシミノ」と呼んだ。ドンボミノと同様に背負い用と雨具用の両方の役割を果たしたミノといえる。石黒では最も一般的に使われたミノであった。
農作業で一休みする時、または昼食やコビリ〔日の長いときの間食〕には地面にし敷いて敷物の役目も果たした。ほどよいクッションがきいて心地よい敷物であった。
「ノメシミノ」の方言の由来については、興味あるところだがよく分からない。石黒では「のめし」は怠け者のことであるが直接それとは関係のない言葉であろう。だが、ともすると背負い具用と雨具用を兼ねている機能を「横着-おうちゃく」としたところに名前の所以があるのかも知れない。
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