蚕の網 
 昭和の20年代まで石黒は養蚕が盛んであった。
 上の網(蚕網)は蚕が葉を食べた後の桑の枝を取り除くときに使った。蚕の成長に合わせて、目の細かい糸網(上写真)や目の粗い縄網が使い分けられた。
 使い方は、まず餌をくれる前に蚕の上に網を広げておく、そして、その上に桑の葉を敷くように置くと蚕が葉を食べるために網目をくぐって上に上がってくる。全てあがってきた頃を見計らって両方の取っ手をもって持ち上げて他に移動して下の枝や糞を取り除く。
 子どもの頃にその単純かつ巧妙な仕掛けに感心したものであった。

参照→四季の農作業