ひろろ蓑 
 
 
 石黒では「ヒョロロミノ」あるいは「マワシミノ」と呼んだ。材料のヒロロはミヤマカンスゲという植物で、6〜8月に山に行って採取して池にしばらく漬けてからよく水洗いして乾かした。そして、冬季にこれを材料として蓑を作った。ヒョロロ蓑は上下続いた蓑と、上蓑〔うわみの〕と腰蓑に分かれた二枚蓑もあった。後者の方が多かったように思う。
 ヒョロロ蓑は水をよくはじき、冬は保温力があるため寒さを防ぎ、体温を逃さない。また、夏は体温を発散し暑さを防ぐ。また、耐久性は数十年もある。
 昔の人々は採取にあたっては、株の中から大きなものだけ抜き取って大切にして保全に心がけた。家の周りに植えておく人もいた。

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