本文 №5   意訳文 (茶色文字下解説参照)  読み下し文
 
堤を築き(かけひ)や埋め樋、土手(いりどて)(かわよけ)ぐい、チガイ関、板羽口(いたはぐちしがらみ)まで、ちくいち目論見帳によって年々、村方の出費明らかにするべきである。
肥(こやし)は下肥、馬糞、馬踏み草、干し鰯(ほしか)、魚腸(うおわた)、
あお苔
(さ)、マサ子雑魚、糠(こぬか)、油絞り粕、藁
 
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   堤をきづき、かけい()、埋めとい(樋)、いりどて(圦土手)、かわよけぐい(□)、ちがい関、いたはぐちしがらみ(板羽口柵)まで、逐一もくろみちょう(目論見帳)をもって年々村方の物入りを分別すべきものなり。
こやし(肥)は、しもごえ(下肥)、馬糞、馬踏み草、ほしか(干鰯)、うおわた(魚腸)、あおさ(□苔)、まさござこ(□□□子)、こぬか(糠)、あぶらしぼりかす(油絞粕)、藁、
 用語解説
筧-かけい→ふしを抜いた竹や中心部をくりぬいた木を地上に架設して水を通ずる樋といのこと=かけどい

圦-いり→池の水を調節できるように土手に埋めて樋。=水門
あお苔→
海藻のこと

堰-つつみ→
取水や水位・流量の調節のために、水路中または流出口に築造した構造物

ちがい関→ここでのと同義語であろう。

羽口-はぐち→
堤防の斜面

目論見帳-もくろみちょう→江戸時代、建築、土木工事、伐木、運材等の計画を明細に書き記した帳簿
下肥-しもごえ→人糞の肥料にしたもの

馬踏み草→馬屋の敷き藁や敷き草のこと。石黒では「うまやご」と呼んだ。良質の堆肥となる。

あお苔(さ)→海藻の意味。

干鰯-ほしか→鰯の干したもの

マサ子、ザコ-まさご、ざこ→小魚のことであろう。

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