地蔵峠層〔椎谷層相当層〕について 

 地蔵峠層は板畑から地蔵峠に至る沢の中に連続して露出している。黒姫山山系の主峰部の堆積物は、すべて地蔵峠層で占めている。
 この地層は小岩峠南方から板畑、中後、磯之辺、と続く黒姫山の南東のすそ野部分に分布し、また山中地域にも分布する。全体的には、砂岩、泥岩の互層で砂岩層には植物破片からなる黒色の平行の縞模様が発達している。堆積現象では砂岩と泥岩の互層がリズミカルに発達し、石黒層に比べて変化に富む。
 この層の下部には、粘板岩、チャート〔珪質の堆積岩の一種〕などの細礫を含む泥岩層があり,軽石凝灰岩層も2枚ある。また、上部は泥岩層が多い。なお、磯之辺地域ではこの層の中に2枚の厚い砂岩層が挟まれている。下位の砂岩層の厚さは85〜50mでノジュール〔堆積岩の一部に、方解石や褐鉄鉱などが濃集して団塊状をつくったもの〕が発達している。地層が新鮮なときには青灰色であるが、風化すると褐色になる。小型の有孔虫や海綿の化石を含み、二枚貝の化石も少し含まれている。化石や岩相からダービダイト互層として海底扇状地に堆積したものと考えられる。
 地蔵峠層は柏崎市椎谷岬に分布する椎谷相〔中新世末期〕に相当するものと考えられる。


参照文献 高柳町史 柏崎市史資料集地質篇