黒姫層(西山層相当層)について 
 黒姫層は、黒姫山の東側斜面と上島川を摸式地
(ある地層の代表的なものが見られる地点)とする。黒姫の背斜(地層が褶曲して山形になっている部分)の西方の地蔵峠、小岩峠、鷲の巣山と、東方部の白倉、磯野辺、男山を結ぶ地域に分布している。(地層図参照)
 
 黒姫層は安山岩質の火山さいせつ岩層を主体としている。
 黒姫山頂部を形作っている黒姫層の厚さは600mに達し山頂の西斜面では層の厚さが300mの連続した露頭で切り立った崖となっている
(上写真)→参考写真
 これらの火山さいせつ岩層は黒姫山をつくり、南西方向やや厚さを減らしながら地蔵峠、小岩峠、鷲の巣山へと連続して尾根筋をつくっている。→参考写真

 
 また、黒姫背斜の東方では薄くなり、上島川中流域では厚さ160mで、数枚の火山さいせつ岩層と火山性砂岩を主体としている。
 火山さいせつ岩層は4枚あり輝石(きせき)安山岩質の凝灰角礫岩(ぎょうかいかくれきがん)である
(右写真 ※石黒や鵜川では「いぼ石」と呼ばれているものであろう)
 上島川中流域より南では、層の厚さは次第に薄くなっている。
 火山さいせつ岩の様子と溶岩流の存在から黒姫層の堆積時には、浅い海底で火山活動があったと考えられる。
 黒姫層は、米山をつくっている多量の火山岩層(米山層)と同じ時代のもので、両者はおそらく一連の火山活動によってできたものであると思われる。
※私見であるが黒姫から岩谷の大露頭、さらに鷲巣山にかけて所々に見られる黒い黒姫層の露頭が石黒の地名の由来ではなかろうか。
              地層図→拡大クリック
 (写真撮影2008.11.11編集会大橋寿一郎  地層図提供−大野隆一郎  参考文献−高蜥ャ史)