前ページへ      原文  P.12  最初へ戻る    読み下し文
  

これ千里の道も一歩より起こり、大山も一箕
 より始まるの謂れな
れば多少に依らず、この帳に記し銘々にその
 印形をのせて
末の証ととする。乞い願わくば、十方の有縁
 無縁共に一味の信心に
住し仏祖の恩を報ぜん為、御堂建立の助力を
 して予々願望を成就せしめ給えりと希う処浅きにあらず。依って願文件の如し

 その時 天明五年乙巳六月九日
   越后刈羽郡北条村
      井上西方寺三十世現住
         釋證道
 
 意訳文
         

これ千里の道も一歩より起こり、大山も一箕
より始まるの道理でありますので、多少にか
かわらず、この帳面に記名して各自がその印
形をついて末の証としていただきたい。
何卒、十方の有縁無縁ともに一味の信心に住
み、仏祖の恩を報いるために御堂建立の助力
をして、かねてからの願望を成就してくださ
るよう切に願うところであります。
以上、お願いの趣旨は右の如くであります。

 その時 天明五年乙巳六月九日
      越後刈羽郡北条村
         井上西方寺三十世現世
            釋證道