便  器

 昔は、病気になっても、よほど重病にならないと医者に診てもらうことはなかった。また、入院するとこともなく、ほとんどの病人は自分の家で療養した。
 重病人の看病に欠かせないものに便器があるが、昭和の頃には上のようなトタン製のものが多く使われた。先端の高さが低い方を病人の股間に差しこむようにして使った。
 使用時には便器の底に新聞紙(昭和初期まではクズフキの葉を干しにしたもの)などを敷いて、事後の処理がし易いように工夫した。
 その他、昔は、板製の便器も使われたという。

資料−昔の便器