本文 №6   意訳文 (茶色文字下解説参照)  読み下し文
 
 灰等である。
その中でも、米は、籾芽出し、
摘み田、蒔き付け、苗代、案山子(かかし)、鳴子
(なるこ)、堀りさらい、水曳、水口抜き場の拵え方、旱魃(かんばつ)、雨乞い、温夏(うんか)、葉渋、油虫の殃(わざわい)を避けるようにように十分に留意することが最も大切である。
御検見を受け
坪刈り田場、立て
 
→次ページへ

 灰等なり。
なかんずく、米はもみ芽だし(籾芽出)、つみた(摘田)、まきつけ(蒔付)、なわしろ(苗代)、かかし(案山子)、なるこ(鳴子)、ほりざらえ(堀浚)、水引、水口、ぬきばのこしらえ(抜場之拵)、かんばつ(旱魃)、雨乞い。うんか(温夏)、葉渋、油虫のわざわい()これなきようこれ又かんべん第一なり。
ごけみ(御検見)を受け、つぼがり(坪刈)場立て
 用語解説
摘み田-つみた→水の深い田など種もみをばらまいて20cmほどに成長した時に間引く農法による田。

案山子-かかし・鳴子-なるこ→どちらも害鳥を防止の方法。

水口抜き場→田の用水と排水の口元


温夏(うんか)→昆虫で稲の害虫であるウンカのことであろう。

葉渋→稲の病気の一つ縞葉枯病のようなものであろうか。
坪刈り→毛見(けみ)とも呼び、任意の田の内の一坪の面積内の稲を刈りとって籾量を調べて検見り基準とする。

勘弁→考えわきまえること

検見-けみ→
稲の収穫前に役人を派遣して作柄を調査させ年貢高を決めること