19910321 今自分は、岩波書店の月刊小冊子「文庫」1960年の10月号を手にしている。14ページに「ホーソンの孤独」というエッセイが載っている。そこには次のような文章がある。「人生の傍観者として路傍に腰を下ろした彼の周りにはいつの間にか灌木が生え始め、その灌木がぐんぐん生長して密林となって彼を取り囲んでしまう。苔むした大樹の幹の傍らで呆然としている彼の肩の上に、黄色い落ち葉が、来る秋ごとに降り積もって、やがて枯葉で身動きも出来なくなってしまうのである。・・・」自分はこれを読んだときちょうど20歳であり人生の一つの選択をしたときであった。
 以来三十余年の歳月が過ぎた。自分の肉体は老化が目立つようになったが、人生への夢は少しも変わっていない。
122