恐れながら書付を以て御拝借願い奉り候 一、金30両也 この分拝借お聞き済み相ならずお手当として金5両2分也下され候旨御沙汰に相成り候事 石黒村端郷 大野 百姓 次左衛門 吉右衛門 庄右衛門 惣右衛門 與七 勘四郎 九之助 吉兵衛 九左衛門 元右衛門 佐一右衛門 作右衛門 長吉 佐次右衛門 〆て40人 先日御注進申しあげ通り 右は当村端郷大野と申す所、去月24日夜大地震にて田地の所々割れ目相立ち、それより右14人もの共居屋敷き内へ相かかり割れ目相立ち、住居難く敷家作所払い候処、山地貧村の次第は、兼々御見守りなされ在り候とおりにて家作り引き移り候手便御座なく一同迷惑仕り嘆かわしき次第に存じ奉り候。 何分右のとおり居屋敷内へ割れ目相立ち候えば、往々谷間へ崩落候義は当然に御座候得ば、手入れ仕り候ても元屋敷に住居仕り難くこれに依り御時節柄恐れ入り奉り候え共、格別の御慈悲を以て書面のとおり金高御拝借おおせ付けられ度願い上げ奉り候。 勿論返上納の義も困窮の御百姓共に御座候ば,とても1両年中と上納仕りまじく候間、これ又御慈悲をもって年賦に下し置かれ度願い上げ候。 右願いのとおり御聞き済まし下され置き候はば重々有難く仕合せに存じ奉り候、以上。 弘化4未年 4月 刈羽郡石黒村 百姓代 助九郎 組頭 卯左衛門 庄屋 重左衛門 御代官所 (読解文責−大橋寿一郎) |