石黒校の思い出
                          中村勝善
(前文略)戦後のベビーブームの生まれもあって、私たち52名の同級生は、2クラスに編成され、にぎやかを通り越した元気者の集まりでした。
 小学5年の頃、校舎の改築があり、体育館を仕切ってそこで学んだ思い出もあります。新しい教室は教務室の真上で騒いでいると先生が来られる、去ればまた騒ぐ、先生に怒られることなど何とも思っていなかった頃でしょうか。
 夏の間は、先を争ってソフトボールに興じ、冬は仲間とスキーにと遊んでばかりいたようですが、勉強で流した汗、放課後のソロバンが思うようにいかずこぼした涙等々も石黒校の校舎はきっと憶えてくれているでしょう。
 私たちはまた、冬期間は寄宿舎に入れてもらいました。教室を改造した大部屋での共同生活もまた楽しいものでした。
廊下から雪に埋もれた冬の上石黒を望む

 卒業を控えたある夜、友とのトラブルで止めどもなく涙が出て、廊下の窓から上石黒の雪明かりの夜景をいつまでも眺めて心を静めた日も忘れられない思い出です。その時、黙って僕の肩にそっと手をかけてくださった私の金八先生は今いずこにおいででしょうか。
 (後文略)

                      閉校記念誌「くろひめ」より