石黒校の思い出 田辺英子 昭和55年の春、私は二人の女の子とともに3人で入学式を迎えた。 当時。石黒校は建て替えの真っ最中。まだ半分しか完成しておらず、私は校門から非常口までグラウンドを斜めに走る長くて汚いトンネルを通って校舎に入った。体育館がまだ出来ていなかったため、確か音楽室で入学式をしたと思う。
入学してからもしばらく給食室がなく、給食は寄宿舎で食べていて、給食の時間になるとみんなが、きまったように箸箱をカチャカチャ鳴らしながら、寄宿舎に向かったものだった。 私は好き嫌いが多く、食べるのが遅かったため、みんなが食べ終わって学校に帰ってしまっても給食のおばさんのところでおばさんと一緒に食べていた。そして、昼休みが終わる頃になると、おばさんが「もういいよ」といって残ったおかずを見逃してくれるのだった。 そんな私も石黒校を卒業する頃には人並みに給食を食べられるようになった。これもいつも変わらず美味しい給食を作ってくれたおばさんのおかげだと思っている。(後文略) 閉校記念誌「くろひめ」より |