寄宿舎の思い出
                         田辺和栄
 私が石黒小学校に入学したのは昭和34年でした。居谷分校で3年学び、4年生から本校へ毎日1時間近く歩いて通いました。
 冬になると4年生から6年生までは分校で中学生は寄宿舎でした。この頃の校舎は木造で、体育館の二階が寄宿舎になっていました。朝起きると、戸の隙間から吹き込んだ雪が布団の上につもっていることもしばしばでした。それでも寄宿舎生活は楽しかったから不思議です。
 夜遅くなるとお腹がすき、給食室に行って、次の日の朝食のおかずを食べて、それをおじさんに見つかってしまい、げんこつをもらったことが何回かありました。
 後になってその頃のことを話すと「何も食べるものがなくてかわいそうだったな」と言ってくれました。(後文略)
            
石黒校閉校記念誌「くろひめ」より