チョウゲンボウ
   
暮らしとの関わり
 小さなハヤブサだが、いわゆるハヤブサのような強い翼を使っての豪快な狩りはしない。今回は全部平地の水田で観察したものであるが石黒にいてもおかしくない。写真のように電柱上に止まり水田や草地で動く小動物を狩る。2015年の秋はこの姿が旧西山町入和田、刈羽村、畔屋の水田などで見られた。
 同じところを繰り返し降りることもあるが、ネズミやカエルなどが隠れていたものと思う。飛ぶ姿はひらひらで、時に空中の1点に止まるホバリング(停空飛翔)を行い獲物を狙う。せっかく餌探し場の電柱の上を確保しても小さな体のためかトビやカラスに追われることも多い。(以上資料提供-長谷川)
 チョウゲンボウは、はたして石黒に生息しているのであろうか。「高柳の自然」高柳教育委員会にも、かしわざき野鳥の会機関紙「ちいさなさえずり」の門出地区の野鳥の一覧にも見当たらない。
 ただ、筆者の画像ファイルに2006.12.20撮影の大野集落で撮った写真にチョウゲンボウらしい鳥影が写ったものがある。鳥影と言うわけは、逆光で羽の色や斑紋が分からい写真であるからだ。撮影時刻は15時33分の記録が見られるが、大野集落の撮影場所は記憶になく特定できない。画像ソフトで加工修正して見るとチョウゲンボウに羽色と腹部の紋様が似ているように見られる。だが、冬季は平野部に移動する習性の鳥が多雪地帯の石黒で見られるというのも疑問に思われる。ただしこの年の冬は百数十年に一度という暖冬であったことは確かなことである。それにしても、この写真は、石黒地区におけるチョウゲンボウの確認を裏付けるに足るものではないであろう。今後も留意して観察していきたい。
 筆者の散歩は近くの田んぼ道であるが、トビやオオタカなどの猛禽類はよく見かける。中でも最も多く見られるのがチョウゲンボウである。今日(2020.12.27)も見かけた。今日は他の鳥の姿が少なく見かけたのはカラス数羽とハクセキレイ1羽のみであった。チョウゲンボウはネズミでも狙っているのであろうか。筆者が見た限り30分ほどその場を動かなかった。かれらにとって冬期の狩りはさぞかし厳しいものであろう想われる。
 今日(2/12)に国道8号線沿いの田んぼ道を散歩しているとチョウゲンボウらしい鳥が田の中で獲物を食べているところに出会った。望遠レンズを通して見ると黄色い足の大きさから獲物はカモ類のように見られる。野鳥研究者のH氏によればマガモほどの大きさの鳥を狩ることはないという。しかし、相手が猟銃の散弾などで負傷した個体であれば別である。

写真2015.11.7 右2015.11.18


        電柱の上から獲物を待つ姿
写真2015.11.7 長谷川

              羽の紋様

写真2015.11.18 長谷川

     チョウゲンボウらしい鳥影

写真2006.12.20大野

           獲物を探すチョウゲンボウ

 写真 2020.12.27 新田畑

解 説
サハヤブサ科
 日本では、夏季に本州の北部から中部で繁殖する。
 冬季は、繁殖地に残る個体もあるが日本全国各地に冬鳥として訪れる。
 全長 30?35 cm。翼を広げると 70?80 cm になる。体重は雄が 150 g、雌が 190 g 程度。雌の方が大型である。
 羽毛は赤褐色で黒斑がある。雄の頭と尾は青灰色。雌は褐色で翼の先が尖っている。
 鳴き声は「キィキィキィキィ」と聞こえる。
 単独かつがいで生活する。齧歯類や小型の鳥類、昆虫、ネズミ、ミミズ、カエルなどを捕食する。素早く羽ばたいて、体を斜めにしながらホバリングを行った後に急降下して地上で獲物を捕らえることが特徴。
 ハヤブサ類にしては飛翔速度は速くない。
 営巣地は岩場が多いが市街地に進出し高いコンクリートのビルや橋脚にに営巣する例も最近見られる。
 名前の由来は不明。



     頭部前面

写真2015.11.15 長谷川

   カラスに邪魔される姿
写真2015.11.18 長谷川

    獲物をねらう様子
写真 2017.12.22 鵜川河口

   獲物を探す様子(幼鳥)

 写真 2018.2.28 春日

    獲物を探す様子

写真 2020.1.14 田塚

 獲物(カモ?)を食べる様子
写真 2021.2.12 下藤井