ダゲリ
   
暮らしとの関わり
 この鳥も再会組で田圃に冬やって来る冬鳥である。チドリの仲間であるがとても大きい。
 冬鳥のいくつかの種類が近年柏崎に来なくなった。この鳥もそのうちの一つであり、再会したいと切望していた。柏崎の冬の田圃に10羽くらいの群れで毎年来ていた。
 ここ2〜30年見ていなかった。それが今年(2016年)10月の末日に東柳田の田圃にやって来た。伸びた2番穂の中で隠れるように地面を突き餌採りをしていた。10羽くらいの群れであったが、この群れに執拗にハシボソガラスがちょっかいを出した。何故かは不明である。ハシボソガラスにとってもこのタゲリは相手が大きい。簡単に獲物になるようなタゲリではない。
 冬鳥のうち前出のようにいくつかの鳥が近年見られなくなった。シメ、ミツユビカモメ、クロガモ、ビロードキンクロ、その他である。シメは昨年1回見たが、もっと沢山いてもいい鳥である。その他は全く見なくなった。そんな中でうれしいニュースである。地球温暖化により北の棲息地でも冬が越せるようになったためと言われている。来なくなったと言われても来る鳥もいるが、それらを見逃したくないと思う。
 冬の水田を利用する鳥である。雪が少なければ石黒の近くまで行く可能性はあると思う。

写真2016.10.14 柏崎市 長谷川



解 説
チドリ科
 繁殖地はユーラシア大陸の中緯度の広範囲の地域。
 冬季はアフリカ大陸北部やユーラシア大陸南部等で越冬する。
 日本には冬季に越冬のため本州に飛来し(冬鳥)、中部地方や関東地方北部で繁殖した記録もあることから、北海道と東北地方北部では旅鳥ということになる。
 全長が32p、翼開長が約72p。背面は光沢のある暗緑色、腹面は白い羽毛で覆われる。足は赤黒い。
 頭部には黒い発達した冠羽がある。頸部には黒い首輪状の斑紋が入る。雌雄ほぼ同色だが、メスは頭部と胸部の黒い部分に褐色を帯びて、オスは夏羽の喉部が黒い。
 河川、湿地、干潟、水田等に生息する。冬季は小規模な群れを形成し生活する。見通しのよい開けた場所におり、警戒心は強い。
 食性は動物食で、昆虫類、節足動物、ミミズ等を食べる。
 鳴き声は「ミュー、ミュー」と聞こえる。
 名前の由来は、田におおく見られ事による。