ムナグロ
暮らしとの関わり
 石黒で出会ったことはない。
 上の写真を撮った場所は明確ではないが、市街地周辺の田塚から藤井あたりの水田であることは確かだ。
 柏崎市の市街地周辺では春と秋に見られ、春のムナグロは、毎年ゴールデン・ウイーク頃、水田に現れシベリアやさらに北の繁殖地へ移動の途中に立ち寄るのだという。
 実に、日本列島の長さ3000qとするとその3倍もの距離を彼らは渡るのである。田の中でこのように群れている姿は気楽な風景に見えるが、実に、それは壮大な長旅の途中の一休みなのである。思わず敬礼をしたい気持ちにもなる。→参考資料
 繁殖期は極地のツンドラに生息し、6-8月に繁殖する。つがいで生活し、縄張りを持つ。巣は地上に作り、産卵数は普通4卵であるとのこと。
 以前には、柏崎市でも下写真のように沢山の群れが見られたが、最近はこれほどの群れを見ることは少なくなってきたという。
 下の写真のようにハマシギなど他のシギ類と混じって群れていることがある。
 わが国では、いくつかの都道府県でレットリストの指定を受けている。
 昨日(2020.4.24)の夕方、田塚の水田で数羽のムナグロに出会った。背羽の美しい斑紋が夕陽を受けて黄金色に輝いて見えた。英名Golden Plover(黄金色のチドリ)とはまさにこの背羽に依って付けられた名前であろう。

写真2011.5.16下藤井〜田塚


              30羽ほどの群れ
写真2011.5.16下藤井〜田塚

      群れの中にハマシギが見られる
写真2011.5.16下藤井〜田塚

  北へ渡る途中に立ち寄るムナグロの群れ(20羽ほど)
写真2021.4.20田塚

           胸部の黒色模様-2
  写真2018.4.28田塚


写真 2020.4.24 田塚

写真 2020.4.24 田塚
ビデオ資料-ムナグロの大きな群れ


解 説
チドリ科
 平野部の水田、潟、砂浜、川原等に見られる。
 日本には旅鳥として春と秋の飛来し全国で見られる。南西諸島等では普通に越冬するが、本州中部以南でも越冬する個体もある。
 体の特徴は、全長24p、翼開長60pほどでハトよりは小さい。 雌雄同色。成鳥の夏羽は顔から腹までの下部分が黒く、額から脇腹にかけてS字状の白い帯模様がある。背側は白、黒、黄色の斑点が混じりあう。
 成鳥冬羽は顔、胸、腹が薄い黄褐色で、耳の部分に褐色の斑点がある。
 幼鳥は成鳥の冬羽とにているが黄褐色が強く翼の下面が白っぽい。
 生活の様子は旅鳥として県内を通過し春〔4〜5月〕と秋〔8〜11月〕に見られる。地上での歩き方や餌のとりかたはコチドリなど他のチドリ類に似る。昆虫や甲殻類等を主食として草の実も食べる。
 鳴き声は「ピョピョー」「キョピー」と聞こえる。
 田植えの頃に5〜30羽ほどの群れをなして水田に飛んでくることで知られている。



      体の特徴


写真2011.5.16下藤井〜田塚

    胸部の黒色模様-1
写真2018.4.28田塚

    背羽の美しい斑紋
写真 2020.4.24 田塚