石黒のヌカボシソウ群生地 
 昭和の20年半ばまでは、左写真の
城山の尾根は上石黒・下石黒などか
ら寄合に出る冬の主要道路であった。
 したがって、郵便屋さんも、学校の
生徒もこの道を通った。
この写真は筆者の、生家の庭から撮った
ものであるが、子どもの頃(1945)にはこ
こを通る人の姿が木の葉がくれに、ちら
ほらと見えたものであった

 
 
車道が開通してから60余年が経ちこ
の道を通る人も絶えたが現在でも尾根
道は人の足の温もりを感じさせる道で
ある。馬の背のような狭い道で両側は
険しい傾斜となっている。両脇の木の
根が絡み合うように地上に現れていて、
 そこを歩くと自然と昔歩いたひとと
同じような場所に足をついて進むこと
になる。
 いわば、今でもここを通る人は父、
祖父曽祖父とほとんど同じ歩き方をし
て頂上まで上ったのではないかと思う
 明治時代には、日清・日露戦争に出
征する兵士が、そして昭和の太平洋戦
争では、ここを通り城山を越えて戦場
に行った兵士も馬もいたと聞く。私は
一昨年までは毎年春秋2回ほどこの道
を通って植物の撮影に城址を訪れた。
そして、毎度ここで小休止して、生ま
れ故郷を見下ろしてきたが、かつては
50軒もあった家が過疎が進み今では
6軒ほどになってしまった。(2007)


写真上2007.11.7 下2004.12.4 城山上石黒側上り尾根