モノサシトンボ
暮らしとの関わり
 現在の石黒では、棚田の用水池のまわりの沢筋などで希に見受けられるが少ない。
 オスは鮮やかな青色の紋様があり、メスは黄緑色の紋様がある。幼体は全体に薄褐色を帯びる。
 写真の個体は、モノサシトンボであると同定したが、断定できる自信はない。御指導を仰ぎたい。
 子どもの頃、生家のタネ〔家の脇の池〕で尾びれの3枚ついた小さな生物をザルで初めてすくいあげた時には、珍しい形の生き物だと驚いたものだ。これがイトトンボのヤゴであるとは思いもかけなかった。
 70余年前、遠い夏の日に私たちがすくったトンボの幼虫には、当時多く見られたキイトトンボアオイトトンボやオツネントンボ、そしてこのモノサシトンボの幼虫もいたにちがいない。
 ちなみに、左下図のような3枚の尾ひれのようなものは尾鰓〔びさい〕と呼んでエラ〔鰓〕呼吸する器官であるというから驚く。これ(尾鰓)のない種のヤゴは肛門の内側にこの器官があるということだ。成虫は胸や腹にあいた穴(気門)から空気を取り入れて呼吸することは知っていたがヤゴについては今まで考えてもみなかった。

写真2011.7.14寄合  右上2011.7.14寄合 右上の下2012.6.16畔屋


          沢沿いの林床にて

写真 2017.7.8 畔屋


解 説
モノサシトンボ科
 日本全土の主に平地や丘陵地の池沼などの木陰などに生息する。
 未熟なものもはすべて林内に移動している。5月下旬から現れ、9月下旬まで見られる。
 成熟したオスは青白色。腹部の背側は黒色であが体節のつけねが青く、ちょうど物差しの目盛りのようであることからこの名がつけられた。第9節、第10節と尾の付属器が青いことでオオモノサシトンボと区別できる。



 両個体ともにオスのように見えるが・・・オスと体色の似たメス雌もいるとのことだ。

写真2011.7.18畔屋
       幼虫

 絵-編集会