時代と内容の概略
この廻章には発信された年号の記載はみられないが、「午七月」とある。また、文中に御本山御類焼とあるのでこれをもとに調べてみた。
1858(安政5)年には安政の大火で類焼焼失した記録が見られる。この年の干支は午であるのでこの年の可能性は高いと思う。
内容は、本文では本山類焼見舞金の上納願いを受けているので精々上納してほしい。ついては、お盆過ぎに使僧を遣わすので各村
の世話人は集金を頼む、という趣旨のものであろう。
なお、本文の後半には、7月の御講(各村で)には、使僧が参りますので承知ください。おな、重立衆中、世話人方衆中には 別紙にては
お願いはしませんが、本文の通りでありますのでご承知ください。且つ、廻章(廻文)は速やかに回覧ください。というような内容であろう。
※備考 ○廻章→廻文(回覧文) ○役者→その役目にある人 ○剪紙(きりがみ)→和紙を横長半分に裁断した手紙など書く紙
○使僧(しそう)→使者として使わす僧、この時これに当たった僧は、いわゆる伴僧と呼ばれる僧であろう。
下石黒 大橋正男文書 読み下し・内容文責 編集会 大橋寿一郎
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