出稼ぎの皆さんへ 大橋スズノ 家庭を離れて、御活躍くださる出稼ぎの皆様、本当にご苦労様でございます。心から有り難く感謝しております。 今年はテレビでは年末年始には大雪が降ると聞きましたが予報がはずれて雪も降らなくて本当によいお正月でありました。 正月帰省された方々には穏やかな良いお正月を迎えられ、家族とともに楽しく過ごされたことと思います。 そして、今年の計画と希望も心新たに、土建業や食品販売等のそれぞれのお仕事にお励みのことと存じます。 一家の大黒柱であられる皆様方から遠い旅に出て安心して働いて頂くことのできますように代わりの柱の私たちが、老人と子どもの健康を考えながら一生懸命がんばっております。 皆様も豪雪と戦っている私たち家族のことが案じられ思い浮かべておられることとありますが、豪雪対策、交通確保には町当局のお力添えを頂いております。 石黒地区には、ブルドーザーと二台の雪上車で朝早くから道付けをやって頂き子どもたちも元気よく学校へ通うことができます。 それに、町長さんから「もう少し待ってくれ、52年度にはきっと無雪道路にするから」と温かい言葉を頂きました。石黒のような豪雪地帯が冬にも夏とおなじように車が通るようになり便利になる日が来ることも近いとを想うと、厚い鉄の扉が開いて、そこから温かい幸せがやってくるような気がします。 多忙な秋の取り入れ、そして体を休める間もなくすぐに出稼ぎに出かけて、毎日毎日働いてくださる皆様のお帰りになる時にはせめて優しい女性としてお迎いしたいということから「夫の迎え方、または夫の留守を守る家族の心構え」等を公民館講座を通して勉強しております。 ウグイスのさえずる春の訪れとともに皆様のお元気なお帰りをお待ちしております。 道路や工事現場でちょっとしたはずみで事故に遭われた方のニュースもテレビでよく聞きますが、私たち留守を守る者にとっては一番心配なことであります。 どうか、このような事故に見舞われないようにくれぐれもご留意されて4月のお祭りまでには皆様そろってお元気な姿でお帰りのことを心からお待ちしております。 〔高柳町広報誌「たかやなぎ」出稼ぎ特集号−昭和50年刊より〕 |