稲の予防
                            田辺雄司
 私たちの子供の頃から稲の予防と言えば、三共ボルドウというイモチ病の農薬が使われたことを憶えています。
 イモチ病には葉イモチ病と穂イモチ病がありました。
 
 葉イモチ病
葉イモチ病は葉に斑点が出て(左写真)最悪の場合は稲が萎縮して枯れ、そのままにしておくと全滅してしまうほど恐ろしい病気でした。
 葉イモチにかかって枯れた稲を刈って畦に積み上げて燃しているのを見たもありました。
 イモチ病は一種のカビによる伝染病ですが、肥料が多く、湿度が高いときに発生するといわれ風通しを良くするために畦草刈りをして通風をよくしました。また、堆肥等を入れ過ぎないように注意しました。補植用の苗を早く処分することも大切といわれました。天候も関係すると言われています。
 穂イモチ病は穂首に斑点が出て(下写真)穂に栄養が行かず最悪の場合は穂が枯れてしまうのでした。

 
昔は、よく洗った肥やし桶の中に水を入れてボルドウ剤の粉剤を入れて、よくかき混ぜてボルドウ液をつくりました。それを手もみの背負いポンプにいれて田に入って散布するのでした。
 私の家にあった背負いポンプは村の人たちが次々と借りに来て使っていたことを憶えています。
穂イモチ病

 今では、稲の品種改良も行われ管理も適切に行われイモチ病の被害はほとんど発生していませんが
、当時は、ニカメイガやイナゴの虫の害はイモチ病に比べたらまだまだ良いといわれるほど怖れられた病気でした。