子どもの頃の思い出
                             奈良ヨシノ
 新しい年を迎えたと思ったらもう小正月ですね。時の流れが早く感じられるのも歳のせいでしょうか。
 インターネットで故郷の映像を見せていただき皆で楽しんでおります。カラムシ街道まつりの日本舞踊を見て、ふと思い出したのは私が小学校の頃だったでしょうか、生家であるあの家で旅役者一座の芝居を見たことでした。
 また、昭和27年の頃には大相撲の巡業もありましたね。私の家には当時、大関であった玉の海の他10人ほどの力士が泊まり、大関の腕にぶら下がったことなど懐かしく思い出します。屋号「はつかびろう」には琴錦、「いんきょ」には若乃花と、上石黒と下石黒の家に分散して泊まりました。これらの力士がその後の相撲界の中心となり活躍されたことが、私の相撲ファンとなるきっかけでした。

 生家も今は兄が守っていてくれますができればこの先もずっと大切にしていってほしいと願っています。ごらんの通りもう百年以上たった古民家ですがしっかりと風雪に耐えて建っていて驚いています。あの家は私の曾おじいさんと孫じいさんとその弟さんで造ったとのことです。
 近年、たまに帰郷しますと生家の昔の話を兄から聞いたり、また千葉に住んでいる叔母さんから私の知らなかった話を興味深く聞いております。とりわけ、亡き母のことを聞くと、苦労も多かったと思うのに愚痴ひとつこぼすことなく私たち大勢の子どもを伸び伸びと育ててくれたことに今にして感謝しています。
 また、今でも昔と変わらぬ自然豊かな故郷、石黒を持っていること、いつ帰っても皆さんが温かく迎えてくださることを本当に幸せだなあと有り難く思っております。
 そして、このように、石黒の歴史や昔の暮らしをインターネットで拝見できることをすばらしいことと感謝しております。
                     (東京在住)