台所の改善について
大橋タキ
これから、農村生活を明るく住みよくするには改善しなければならない多くの事があります。その中でも私たちが真っ先にやらねばならないことは、一番身近な台所の改善だと思います。
現状(昭和29)では、台所は家の中でもうす暗い場所にあり、非能率的な造りで、衛生的にも良くないのが一般的な事実です。
今は、まだ、台所はなるべく他人に見られたくない場所で、他家の台所に立ち入ることは失礼なこととされています。
しかし、台所は一日として欠くことの出来ない食事の用意をする重要な役割をもった場所です。このような台所を明るく衛生的で使いやすく改善することは今一番求められていることではないでしょうか。
台所を能率的に改善することによって女性の手数と労力が省け、時間的にも多くの余裕が生まれることと思います。こうして生み出された時間こそ、農村生活の向上をもたらすものと思います。
健康で明るい農村文化の第一歩は能率的で明るく清潔な台所の改善にあるように思います。
石黒村青年団報、北極星第3号より
(昭和29年発行)
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