クズぶとん
昭和30年代かと思いますが、生活改善が普及すると村の暮らしもどんどん変わりましたが、布団はまだどこの家でも敷きっぱなしでした。
寝床に藁クズを敷き詰めてムシロを敷いていた時代に比べると、畳の上にクズ布団をマットレス代わりに敷いて寝る生活は、それだけで優雅な気持ちになりました。
クズぶとんは、布団布で大きな袋を作って藁をすぐったクズを詰め込むのですが最初はふかふかで気持ちが良いのですが段々せんべいぶとんになるので半年に一度くらいクズを入れ替えました。
新しい内はガサゴソ音がしますがクッションの感触が気持ちよく、音はあまり気になりませんでした。
相変わらず布団は敷きっぱなしでしたが、敷いたまま二つ折りにするようになり、畳が痛むのを防ぐ為と生活様式の変化と共に見た目の意識改革も始まっていたように思います。
このようなクズぶとんも簡単に作れて便利でしたが、ほこりなど衛生面や、時代の流れと共に本物のマットレスが購入出来るようになると自然と姿を消しました。
文・福島在住 大橋洋子
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