念仏講について(板畑)
 板畑の念仏講は「彼岸念仏」と呼ばれるとおり、春秋の彼岸に、嫁に「カカ」を譲り渡した婦人が、輪番で決められた家に集まり、念仏を唱えながら大数珠を操って祈る。
 また講中では村内の不幸があった家に、葬式の翌日に集まり念仏をあげることも役目としているが、直接的に葬式に協力、参加するわけではない。講員が老婦人に限られていることから、この講は多分に年齢集団としての意味をもち、その内容も婦人達の娯楽の機会という意識の上に成り立っているのが現状である。講では特にその中に序列や役職はなく平等の関係にあるらしい。
 また、板畑に何戸かある天理教の家からも講に参加しており、宗旨の関係よりも家どうしの付き合いにより大きな比重がかけられている。

            法政大学 1975高柳町調査研究報告より抜粋