高柳町石黒に「縁の館」完成
高柳町石黒にこのほど、地域の歴史資料を集めた「縁(えにし)の館」が完成した。1875年(明治8年)に描かれた畳10枚分の石黒村絵図をはじめ、旧石黒小中学校の卒業写真など、数多くの貴重で懐かしい資料が展示されている。 旧石黒村は1955年に高柳村と合併した。旧石黒村の資料は農協倉庫、95年に閉校になるまでは石黒小中学校に保管されてきた。しかし、「このままでは散逸もしかねない」と、地区区長会(大橋輝雄会長)や有志が数年前から保存活動に取り組み。町も昨年度、県単事業を導入し、石黒克雪センターに隣接して「伝統文化活用施設」(鉄骨1階建て、延べ床面積約90平方メートル)を建設。「石黒にゆかりのある人が気軽に集える場所に」との願いを込め、「縁(えにし)の館」と命名した。 多くの展示品の中で圧巻は畳10枚分もある石黒村絵図。長く、農協倉庫の中に眠り、他のゴミと一緒に焼却される寸前に、地域の人が絵図と気づいたという代物だ。県の棚田百選に選ばれた花坂の棚田を造成する際の設計図にあたる絵巻(推定200年前)、1908年(明治41年)に現在の国道353号小岩トンネルとなるトンネル開削を請願した際の絵図なども発見され、展示された。 写真資料も多く、1903年(明治36年)に学校校舎が完成した時に地域住民がそろった記念写真のほか、米俵を馬や人の背で運ぶ様子なども紹介された。学校行事のスナップ、歴代の文集も出来る限り集め、自由に見ることが出来るようにした。また、「石黒の四季」の譜面、校長住宅に住み着いて、住民にかわいがられたムササビのはく製、高さ8メートルの神社ののぼり旗などの資料も。盆踊り唄はCDにして保存した。 |