民具補説 背負いハシゴ 背負いはしごは、普通の荷物を背負う時には使用されず形が背中になじまないものや小型で重いもの、石などを背負う時に使われました。とくにお墓を造るときなどは、石材を背負いハシゴを使ってはこびました。その他、丸い原石なども縄でしっかりと背負いハシゴに固定して運んだものでした。 その他、病院などで亡くなった人の遺体を毛布や薄い布団に包み、背負い手と背中合わせになるようにして背負って家まで運んでくることもありました。 背負いハシゴには下図のように2種類あって右の図のように下部に荷台のついたものと荷台のないものとがありました。石などを運ぶには荷台のある背負いハシゴが使われました。 また、背負いハシゴで荷物を運ぶときに、途中で一休みするときには、一本の桐の棒を杖のように持ち歩いてそれを荷台の下に当てて支柱にして立ったまま一休みするのでした。
文・図 田辺雄司(居谷) |